舞台「Little Fandango」上演台本
西田大輔の書下ろし上演台本
あらすじ
――西部開拓時代。21人を殺した悪童ビリー・ザ・キッド。
一つの日記とならず者たちの伝説が幕を開ける―――
ニューメキシコ州――かつてはゴールドラッシュに湧きあがり、ならず者たちが活気を
作っていたこの街も、今では区画整理され、法の下に秩序が行き届いている。
その街で生まれた議員の息子・ヘンリーは親友のマクスウェルと共に、家の屋根裏で
一冊の古ぼけた日記を見つけていた。
父親嫌いのヘンリーにとって知りたかったのは、この街の歴史。
自分の血の中にきっと隠れているであろう「カウボーイ」の真実を知りたいのだ。
そして、かつてこの街にいた伝説の悪童の名を。
その名は、「ビリー・ザ・キッド」。21人を殺し、21歳でその生涯を閉じた悪童、
そしてリンカーン郡戦争を勝ち抜いた「英雄」だ。
日記を広げながら、少年二人はカウボーイたちの世界に入り込む。
パッド・ギャレット、ドク・スカーロック、コー兄弟、リチャード・ブリュワー、
そして、自分と同じ名前を持つヘンリー・マカーティ。
―――日記は、歴史となり、そして新たな西部劇が幕を開ける。